相続税とは
日本で実際に相続税を支払っているのは、亡くなられた方の約5%程度です。
「相続税は税率が高い」というイメージが強いですが、以下のような基礎控除や特例などがあるため、かなりの資産をお持ちの方でない限りは、「相続税の支払い」に関しての心配はほとんどの場合ないといっていいでしょう。
それでも資産の大小を問わず、相続が発生したら、亡くなられた方の財産を引き継ぐ対象となる方(相続人)にとっては避けて通れない様々な手続きなどがあります。まずは、相続財産を(できれば早くから)把握することにつとめ、おちついて対応しましょう。
【相続と遺贈】
『相続』は、民法で定められている法定相続人が取得する場合、『遺贈』は遺言によって相続人やその他の人が取得する場合をそれぞれ指します。
【相続人と被相続人】
亡くなられた方を「被相続人」、財産を取得する方を「相続人」といいます。
基礎控除の金額以下なら相続税はかかりません
相続税には基礎控除があり、遺産の評価額から故人の債務(借金)や葬儀費用を控除した課税価格の合計が基礎控除の金額以下であれば相続税はかかりません。
また税務署に対する申告も必要ありません。
評価額が基礎控除を超える場合でも、申告をする事によって使える税務上の特例(配偶者の税額軽減、小規模宅地の評価減)により、相続税がかからないケースもあります。
例:法定相続人が3人いる場合の基礎控除額は、3,000万円+1,800万円=4,800万円となります。
相続税の計算
相続税の課税価格の計算は、相続をした相続人や遺言によって財産を得た方の全員について、それぞれ別々に行わなければいけません。
どういうことかというと、自分が相続した金額にもとづいて、支払うべき税金はいくらか?
といった結果は直接には算出せず、次のような手順で行います。
- 相続財産全体の相続税の総額(相続財産を法定相続分で相続したと仮定した相続税の合計額)を仮に計算
- その後、相続税の総額を各相続人の実際の取り分に応じて配分
実際には法定相続どおりの取り分とならなかったり、出てくる結果が把握しづらい場合があります。
また、相続税が発生しない場合でも、財産の分け方によって住民税や所得税などに影響してきますので、最終的には専門家にご相談いただくことをおすすめします。